00 社交クラブ譚 of h3m

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デジタル時代の人やモノの距離感 ブログよりもややフォーマル、原稿にするには個人的なこと

社交クラブ譚  はじまり

ある日、クライアント(仕事をくれる人)から電話をもらい「今回、打ち合せするところは、すごく高級なところでキミのようなモノは出入りできないようなところだから……」のような内容を告げられたことがある。クライアントは、僕のことを何かとても育ちが悪いように誤解しているか、またはスゴい心配性なのだろう。仕事をする前からケンカしてもしかたがないので、僕はとりあえず「はぁ……」と中途半端な返事をして、電話を切った。

もし、クライアントが僕を「育ちが悪い」と思っていたのなら、それは僕の不徳の致すところ(僕の肩書きはカタカナだし、役職もない)。または、日本にも、ヨーロッパにおけるクラス(階級制度のなごり)があることを、たんに僕が知らなかっただけなのかも……、と思ってみたり。

そのクライアントがいう「すごく高級なところ」というのは「メンバーシップ・クラブ」のこと。プライバシーからか、メンバーシップ・クラブ内のことがメディアに紹介されることがあまりない。日本でクラブというと、美女が隣に座って水割りなどを作ってくれるところと勘違いされたり、若者が大音響で踊るところだと思う人もいる。ここでいうクラブは、一般募集もなく、入会に審査があるクラブのこと。旧いクラブでは、東京アメリカンクラブやカナダ大使館の地下にあったシティクラブ・オブ・東京(2010年1月に閉館)などが知られている。

もともと、プライベートクラブは英国のメンズクラブ(成人の男性だけがメンバーになれた社交クラブ)がはじまりといわれている。普段の仕事や家族、立場のしがらみなどから解放されて、気ままにフェンシングをしたり、食事をしたり、葉巻などを楽しむ場所を提供することから始まった。現在は性別差による入会規定が無くなったところがほとんどだ。

「育ちが悪い」と誤解されているはずなのに、なぜ僕がそんなにクラブのことに詳しいかというと、いくつかのクラブのメンバーだから。どういう経緯でメンバーになったかは少々複雑で長い話だし、ちょっとプライベートな内容だからここでは書かない。

例の「すごく高級なところ」の打ち合わせも、僕がたまに行くプライベート・クラブだった。クラブのスゴいのは、僕が誰かに連れられて行っても、「○○さま、今日はなんのご予定で……?」なんて、僕に声をかけないところ。そうすれば、ホスト(客を持て成す人のこと。わかりやすく言うと「会計を払ってくれる人」)に恥をかかせないですむからだ。そして、クラブのスタッフは「あなたを忘れているわけではありません」という意味をこめてか、僕にこっそりと会釈をしてくれる。それもまたプライベートクラブのスゴいところ。

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